• No : 6386
  • 公開日時 : 2015/03/26 00:00
  • 更新日時 : 2021/12/02 14:59
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環境データの排ガス・走行モード・騒音測定試験法の意味を教えて。

回答

排出ガス 自動車の試験における走行モード 騒音測定試験法

排出ガス

CO(一酸化炭素)

重油、ガソリンなど炭素を含む化合物が不完全燃焼する時に発生し、工場・自動車等から排出されます。

HC(炭化水素)

炭素と水素からできている化合物の総称で、重油、ガソリンや有機溶媒などの炭素と水素を含む化合物が蒸発したり、
不完全燃焼することによって排出されます。
発生源は自動車、ガソリンスタンド、重油タンクおよび有機溶剤製造工場などで、
大気中の強い紫外線によって光化学反応し光化学スモッグの原因となります。

NMHC (非メタン炭化水素)

炭化水素からメタンを除いた化合物のことです。
天然ガス自動車ではメタンが排出ガス中にHCとして含まれますが、メタンは他のHCのように光化学反応により
光化学スモッグの原因とはならないため、天然ガス自動車を低排出ガス車として認定する場合には、メタンを除いたもので評価しています。

NOx(窒素酸化物)

燃料などの燃焼過程において、空気中の窒素や燃料中の窒素分が酸化されて発生します。
大気中の強い紫外線によって光化学反応し光化学スモッグの原因となる他、酸性雨の原因物質の一つとなります。

PM (Particulate Matter、粒子状物質)

自動車から排出されるPMは黒煙、サルフェート(硫酸塩)、及びSOF(Soluble Organic Fraction)(可溶有機成分)とに大別されます。
サルフェートとは、燃料中の硫黄分が酸化されて生成した硫黄化合物の総称。
エンジンの高負荷時や酸化力の強い触媒がある場合に大量に生成されます。
SOFとは比較的低沸点で溶媒抽出が可能な有機成分のことをいい、具体的には軽油や潤滑油の未燃焼分です。

ホルムアルデヒド

許容限界を超えると鼻、喉などの粘膜を刺激する。光化学スモッグの成分の一つです。
メタノール自動車からは微量に排出されるので、メタノール自動車を低排出ガス車に認定する場合にのみ評価されます。

黒煙

ディーゼル車から排出される黒い煙。 試験方法で定められた方法で排気管から排出ガスをフィルターに吸引・補集し、
光の反射率により「黒さの程度」を測定します。

3M(3モード)
下記3つの条件で、それぞれアクセル全開として黒煙を補集し測定する試験法。

 
  1. エンジンの最高出力回転
  2. 最高出力の60%の回転
  3. 最高出力の40%の回転

FA(フリーアクセル)
無負荷の状態で瞬時にアクセル全開として黒煙を補集し測定する試験法。主に車検場で行われる試験。

諸元値

メーカーが自動車またはエンジンの認定を受ける時に国土交通省に届け出た値です。

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自動車の試験における走行モード

JC08モード

実際の走行と同様に細かい速度変化で運転するとともに、エンジン暖機運転後だけでなく、冷えた状態からも測定します。
計測の割合は、エンジン暖気運転後が75%、冷えた状態が25%です。

10-15モード

10モード走行を3回繰返した後に、15モード走行を1回加えたものです。
エンジン暖機運転後に実施(ホットスタート)します。

 
・10モード: 都市部における平均的な走行形態を表し、10の走行パターンを組合せた試験モード
・15モード: 都市内高速走行(70km/h)と渋滞の走行形態を表し、15の走行パターンを組合せた試験モード

11モード

郊外から都心に向かっての走行形態を表した走行パターンです。
エンジン始動後すぐに実施(コールドスタート)します。

13モード

重量車用のエンジン単体に対する試験モードです。
ガソリン・LPG用(車両総重量で2.5t超、平成13年規制からは3.5t超)のG13モード、
ディーゼル車用(車両総重量2.5t超)のD13モードがあります。
それぞれ、自動車走行実態に基づき「エンジン回転数-負荷」で決められる13パターンの定常状態で測定します。

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騒音測定試験法

加速走行

50km/hの走行状態から、試験方法に定められた測定区間の開始点でアクセルペダルを一杯に踏み込み
加速させた時の騒音の最大値を測定します。

定常走行

50km/h定速の走行時で、試験法に定められた測定区間での騒音の最大値を測定します。

近接排気音

無負荷の状態で、エンジンの最高出力の75%の回転数で5秒間運転した状態からアクセルを急速に離した場合の騒音の最大値を測定します。

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